裁判の進み方

不倫慰謝料の支払いについて、金額面や条件面で相手と折り合うことが出来なかった場合、裁判を起こされることがあります。
当事務所で扱っている不倫慰謝料案件では、請求する側・請求される側いずれも、裁判になっている件が少なくありません。あなたの件についてどうなるかは分かりませんが、比較的、不倫慰謝料というジャンル自体が裁判になりやすい性質であるとお考え頂いたほうがよいかもしれません。

ある程度、裁判の具体的なイメージを持っていただくことが冷静な対処にもつながると思いますので、裁判を起こされた場合の、一般的な手続きの流れ・進み方をご紹介したいと思います。

訴状の送達

裁判は、原告(請求する側)が裁判所に訴訟を提起することから始まります。
原告が裁判所に提出した訴状は、裁判所から、被告(あなた=請求される側)のご自宅に送達されます。ある日突然、ご自宅に裁判所から訴状が届くことになるため、少し注意が必要です。

こうした裁判所から送られてくる書類の受領ですが、ご本人が訴訟対応を弁護士に委任する旨の「委任状」を裁判所に提出されると、それ以降の裁判所発送書面は、弁護士の事務所に送られます。ただ、先述のとおり最初の訴状については、ご自宅に届いてしまいます。また、裁判を起こすかどうかは相手が決める事ですから、訴状がいつ送られてくるのか、そのタイミングは予想しづらい場合があります。「不倫慰謝料の請求を受けている事実を、同居の家族には秘密にしたい」という方の場合、こうした事態も念頭に置いて全体の方針を検討する必要がありますから、法律相談の際におっしゃって下さい。

訴状の送達に際し、裁判の第一回期日も指定されます。最初の期日は、こちらの予定と関係なく指定されていますから、答弁書を提出した上での欠席も可能です。その場合、実質的な主張立証が始まるのは、第二回期日以降ということになります。

このように、裁判を起こされたからといって、すぐ開廷して手続が進んでいくわけではなく、少し時間がかかるものであることは予め知っておいてください。

裁判の管轄について

これは、どこの裁判所で裁判を起こされたかという問題です。基本的には、原告(慰謝料を請求する側)の居住地を管轄する裁判所に提訴されていることが多いかと思います。被告(あなた)は裁判の期日に、この裁判所に出廷する必要がありますが、弁護士にご依頼されている場合、弁護士があなたの代わりに出廷いたします。

裁判の期日

裁判の期日では、双方の主張と立証が行われますが、期日に一方が何らかの主張をすると、次回期日にもう一方が反論するというような流れが一般的です。

期日は1ヶ月~2ヶ月程度の間隔で実施されますから、双方が言いたい事を言い尽くして話が煮詰まってくるまでには、ある程度の時間はかかります。裁判の経過は、弁護士から随時ご報告を差し上げ、検討が必要になった場合には随時打ち合わせを実施しながら進めてまいります。

和解案が出る場合

裁判が進行中であっても、途中で和解が成立して裁判が終了するという展開は、よく見られます。和解は当事者からの申し出による場合もありますが、裁判官から示される和解案を、両当事者が受け入れることで成立する場合の方がより一般的です。

慰謝料を請求されているご本人からすると、「相手と和解する必要があるのか」というお気持ちもあるかも知れません。もちろん和解案を拒否して判決を目指してもよいのですが、和解案というのは裁判官が双方の主張立証をふまえた上で提案されてくるものですから、既にある程度、裁判官の心証が加味された内容であると考える余地があります。つまり判決に持ち込んだところで、現在の和解案よりも大幅に有利な判決が出るものかどうか? という点を考慮しなければなりません。

また、和解であれば、例えば分割払いの方式など付帯条件を柔軟に調整する余地がありますが、判決になってしまうと「○○円を支払え」であるとか、「請求を棄却する」であるとか、白黒ハッキリした形の結論となる上、支払いを命じられる場合は基本的に一括払いとなります。このように判決では両者の要望を細かく調整することができないため、判決内容に不満がある場合には控訴するしかありません。

このような事情もあり、裁判官から和解の提案があった場合、検討・調整の結果それを受け入れるということが結果的には多くなっています。もちろんご本人のお気持ち次第が大事な部分であり、相手の出方にもよりますから、弁護士から状況については十分ご説明を差し上げたいと思います。

裁判上の和解をした場合

裁判期日で和解した場合は「裁判上の和解」となります。これは裁判外の単なる示談とは全く異なるもので、裁判上の和解により作成された和解調書には、確定判決と同等の効力があります。和解に定めた慰謝料の支払期限を守らなかったような場合、預金口座や給料を差し押さえられる可能性もありますから十分注意が必要です。和解に定めた金銭の支払いを履行した場合、今回の不倫慰謝料請求の件は基本的には終了です。

尋問

和解が成立せず、原告・被告の主張立証が続けられた場合、話が煮詰まってきた段階で、尋問という手続きが実施される場合があります。
これは要するに、訴訟の終盤まで双方の主張する事実関係が食い違っているなど、「結局どうなのか」がハッキリしない部分がある場合に、当事者本人や証人を裁判所に呼んで発言を聞き、発言の整合性や矛盾点、雰囲気などを裁判官が直接確認することで、判決を書くための心証を形成する材料とするための手続きです。

不倫慰謝料請求の裁判で尋問が実施される場合、通常は原告(慰謝料を請求する方=不倫相手の配偶者)・被告(あなた)の両方が裁判所に呼ばれますから、この段階で不倫相手の配偶者と顔を会わせることになるかと思います。また尋問は公開法廷で行われますから、本件に何の関係もない一般の傍聴者が、法廷の傍聴席で話を聞いている場合も珍しくありません。

尋問の場では、こちらの弁護士からの質問、相手の弁護士からの質問、裁判官からの質問などが行われ、それに対して個別に回答をしていただくことになります。

あくまで徹底抗戦するというのも一つの方針ですが、尋問でさんざん攻められた後で結局和解するのであれば、最初から和解しておいた方がよいとも言えますから、そのあたりの方針検討は十分行っておく必要があるでしょう。

いずれにしろ、被告側で行う質疑応答のシナリオは事前に弁護士が作成の上、ご本人と十分打合せを行ってから尋問当日を迎えるように進めます。何もわからない状態で法廷に立つということはありませんので、その点はご安心下さい。

判決

最後まで和解に至らなかった場合、最終的には判決が言い渡されます。
判決の内容というのは結構シンプルで、原告の請求が一部ないし全部、認められた場合であれば、「被告は○○円を支払え」という感じになり、原告の請求が全く認められなかった場合であれば、「原告の請求を棄却する」といった感じになります。
あとは支払いを命じている金額がいくらだったか、仮執行できる内容かどうか、といった点を確認した上で、判決確定までの間に、控訴するかどうかを判断しなければなりません。

判決が確定すると、原告(請求する側)が預金や給与などを強制執行してくる可能性もありますから、早めに所定の金額を支払う必要があります。

不倫慰謝料裁判の一般的な流れは、このようなものです。
詳細は法律相談の際や、正式ご依頼後の打合せの際にも、案件ごとのご事情をふまえつつ弁護士から改めてご説明を差し上げたいと思います。

不倫慰謝料に関する弁護士コラム

 

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